のげ町歯科室_診療所通信 2021.02/15号 唾液の働き

  • 唾液の働きお口の健康は全身の健康ととても密接に関わっていることが知られるようになってきました。このコロナ禍において、現代人の心や身体やお口の中はいったいどんな状態になってしまっているのでしょうか。
    食生活の変化やストレスの影響で、唾液の分泌が十分でなくドライマウスの症状を訴える人が増加しているとも言われています。あなたのお口は大丈夫ですか?

    いったい唾液にはどんな働きがあり、私たちの健康にどのような影響を与えているのでしょうか。

  • 唾液はどこから出てくるの?

    唾液は血液をもとに作られていて、口の中の左右両側に一対ずつある3種類の唾液腺から主に分泌されています。
    大人では1日当たり1~1.5リットル分泌されると言われていて、これは健康な人が1日に出す尿の量とほぼ同じです。

    唾液腺図

    ①耳下腺(じかせん)|
    最も大きい腺で、頬の皮膚のすぐ下で、顎の後ろから耳の下あたりまであります。
    ここから出る唾液はサラサラとして水に近いような感じです。

    ②顎下腺(がっかせん)|
    耳下腺の半分ぐらいの大きさで、下あごの骨の内側にあります。
    ここから出る唾液はサラサラとネバネバの中間くらいの状態です。

    ③舌下腺(ぜっかせん)|
    この3つの唾液腺の中では最も小さく、舌の裏側の付け根部分にあります。
    ここから出る唾液は糸を引くようなネバネバした感じのものです。

  • 唾液の働き

    よだれ君アイコン1)消化作用:
    アミラーゼという消化酵素の働きによって、デンプンの分解・吸収をスムーズにする働きがあります。

    2)抗菌作用:
    リゾチーム、ペルオキシターゼ、ラクトフェリンなどの免疫をつかさどる物質が、食品についた細菌の繁殖を抑えたり、食事によって酸性に傾いた口の中を中和し、むし歯や歯周病の原因菌の繁殖を抑えます。

    3)保護作用:
    歯の表面のエナメル質に皮膜を作り、カルシウムやリンが溶け出すのを防ぎます。さらに歯に再び沈着させる再石灰化の働きもあります。

    4)円滑作用:
    口の中の湿度を適度に保つことで、発音をスムーズにしたり、口を自由に動かしたりする潤滑剤の役割もしています。
    歯や歯ぐきを乾燥から守り、唇にも適度な潤いを与えてくれます。

    5)溶解作用:
    食べ物に適度な水分と粘り気を与え、柔らかくして味覚を促進させます。

    唾液が歯を清潔に6)pH緩衝作用:
    唾液のpHは中性に近い弱酸性です。唾液は口腔内で産生された酸を中和して細菌の繁殖を抑えます。

    がん予防の効果も!
    さらに唾液に含まれるペルオキシダーゼという酵素には、食品添加物などに多く含まれている発ガン性のある物質の毒性を低下させる働きがあることもわかっています。
    しかしその毒消し効果を得るには30秒程度必要なため、よく噛んで唾液の分泌を促してゆっくり食事をすることが大切なのだそうです。

    コロナ禍の今だからこそ、外食時には一口30回噛むことを目標に、集中して『黙食』してみましょう。
    飛沫感染防止とお口の抗菌力アップで、一石二鳥の効果が期待できますよ!

    黙食実践中&一口30噛み挑戦中

  • 赤ちゃんとよだれ

    なんでも口に入れちゃう赤ちゃん赤ちゃんがはいはいして活発に動き回るようになると、手に触れるものを手当たりしだいに口に持っていくようになります。
    赤ちゃんから最も目が離せない時期ですが、その頃から急激によだれの量が増えたと感じる親御さんも多いのではないでしょうか。

    これは生後7ヶ月前後で唾液の分泌量が増えてくるというだけでなく、唾液を飲み込むという動作自体がまだ未発達だからなのですが、じつは抵抗力の弱い赤ちゃんの体を守る最前線の重要な役割があるのです。
    大量に流れ出るよだれが、ホコリを始めとする有害物質を流し去り、粘液はインフルエンザウイルスなどを包み込み、喉の細胞に感染するのを防いでくれます。
    また唾液の中には、母親からもらい受けた多くのウイルスや細菌に対する分泌型の免疫抗体が含まれています。なんでも口に入れちゃう赤ちゃん

    私たち人間の体には生まれながらにしてこんなに素晴らしい機能が備わっているんですね!