のげ町歯科室_診療所通信 2022.12/15号 プラークと歯石
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私たちは朝起きて、1日の始まりには歯を磨きます。毎食後に歯みがきをする人もいると思いますが、なかなか学校やオフィス、外出先の昼食後に歯みがきができない人もいるでしょう。
しかし就寝前には、私たちはやはり歯を磨きます。朝晩1日2回の歯みがき習慣が一般的ですが、あなたは1日に何回歯みがきをしますか? また、1回の歯みがき時間は何分くらいですか?むし歯や歯周病の原因とされるプラーク(歯垢)と歯石がどのようにして蓄積され、私たちの口の中にどんな影響を及ぼすのかを知ることで、ご自身の歯みがき習慣を見直すいい機会になるかもしれません。
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プラークとは、ねばねばした細菌のかたまりのことで、このプラーク1mg中に億単位の細菌が存在しています。
むし歯菌などの細菌は糖分をエサにして増殖し、酸を作り出すことで歯のエナメル質を溶かします。他にも空気を嫌う歯周病菌や、硫化水素やメチルメルカプタンといったニオイの強いガスを発生させる細菌など、多くの細菌たちの快適な住まいとなっています。
粘着性はありますが、およそ80%は水分で構成されているため、ブラッシングによって除去することができます。 -
歯石とは、プラークの中の細菌が時間の経過とともに死滅し、それらが唾液の中に含まれているカルシウムと結びついて石灰化することです。
歯石はおよそ8割がリン酸カルシウムを主体とする無機質成分であるため、プラークが歯石となって沈着してしまうと、石のように固くなり歯ブラシでは取り除くことができなくなります。 -
どんなにていねいに磨いているつもりでも、プラークが残ってしまう場所はあります。歯肉縁上の目に見える部分だけでなく、歯と歯ぐきの間の溝「歯周ポケット」にプラークが付着すると、そこにはプラークの集合体『バイオフィルム』が形成され、細菌の楽園となってしまいます。
※歯肉縁下※
・歯周ポケットの中
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毎日のブラッシングでどうしても除去しきれなかったプラークが歯石になってしまうのですが、磨き残したプラークがとくに石灰化しやすい(歯石になりやすい)場所があります。
*下の前歯の裏側・上の奥歯のほお側
(唾液腺の開口部付近・・・唾液に含まれるリンやカルシウムが沈着しやすい)*歯周ポケットの中
(歯ブラシが届きにくい・・・ポケット内の血液成分と結びついて黒っぽい歯石となって沈着しやすい)*歯みがきの苦手箇所
(個々人のブラッシングの仕方やクセによる・・・プラークが残存しやすい)歯石の表面はザラザラしているため、歯石のついたところにはプラークが付着しやすくなって、さらにまた歯石へと厚みを増していきます。
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食後、私たちの口の中は「酸性」に傾きます。
唾液の量や質、歯の強さ(歯質)、歯並びなど、口腔内の環境は人によって違いはありますが、およそ30分程度で唾液により中和されてきます。しかしその間にも、細菌は食べカスなどの糖をエサに酸を作り続けています。プラークは食後8時間ほどで歯の表面に付着すると、成熟しながら石灰化し、早ければ1~2日で徐々に歯石へと変化します。
毎日の歯みがきは、できるだけ磨き残しのないように、いかにプラークの段階で除去しておくのかがカギになります。
「ちょっと磨きにくいな」と感じるところを重点的に細かくブラッシングしてみると、プラークがつきにくくなります。
また、歯みがき後に舌で歯の表面をさわってみてヌルっと感じたら、そこはあなたの歯みがきの苦手箇所かもしれません。歯石に変化してしまうと、毎日のブラッシングでは除去することができませんので、かかりつけの歯医者さんで定期的に歯石を除去してもらいましょう。
また、歯みがきの仕方を指導してもらうと、今までのブラッシングのやり方を見直すことができるのでしっかり歯ブラシをあてられるようになります。
2022年12月15日 2:06 PM admin