のげ町歯科室_診療所通信 2022.01/15号 口唇ヘルペス
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唇やその周囲に小さな水ぶくれができる病気「口唇ヘルペス」は、単純ヘルペスというウイルスが原因で起こります。
単純ヘルペスウイルスは感染力が強く、直接的な接触の他にウイルスがついたタオルやグラスを介して間接的にも感染します。多くの人が子どものころに初めて感染しますが、このときは無症状であることが多いため、感染に気がつかないことがほとんどです。
大人にみられる口唇ヘルペスのほとんどが再発型で、年1~2回の再発が多いようです。 -
口唇ヘルペスを引き起こす単純ヘルペスウイルスは1型、2型の2つがあります。
1型は唇・顔面など上半身で、2型は性器を中心とする下半身におもに発症します。
口唇ヘルペスを発症し、症状が治まってもウイルスが身体からいなくなったわけではありません。ウイルスは体内の神経節に潜み、何らかのきっかけで再び活性化すると、神経を伝って皮膚や粘膜に病変となって出現します。また、同じヘルペスウイルスが原因で口の中に歯肉炎や口内炎の症状が出る場合もあります。
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体調の良しあしにより症状は異なりますが、主に4段階の症状があり、2週間程度で治ります。
①前駆症状
皮膚にピリピリ・チクチク・ムズムズなどの熱感・違和感・かゆみを感じる。②初期症状
前駆症状の発生から半日以内に赤くはれる。この時期は患部でのウイルスの増殖が活発になっています。③2~3日後に現れる症状
赤く腫れた上に水ぶくれができます。水ぶくれは初感染では大きく、再発を繰り返すと小さくなっていきます。通常、唇の1か所にできます。④回復期
かさぶたができて治っていきます。 -
健康なときは、免疫力で抑えられているヘルペスウイルスも、免疫力が低下すると再活性化して神経を伝わって皮膚表面に再発します。
風邪で熱が出た後にみられるのも口唇ヘルペス。
風邪以外にも疲労、睡眠不足、紫外線、胃腸障害、外傷、ストレス、加齢、抗ガン薬、副腎皮質ホルモン薬、免疫抑制薬など、体の抵抗力や免疫機能の低下が再発の誘因となっています。 -
抗ヘルペスウイルス薬の使用が効果的です。
ヘルペスウイルスの遺伝子に働いて増殖を抑制するものです。ウイルスを殺す作用はないので、神経節に潜んでいるウイルスに対しては効果がありません。ですので、症状の出始めやウイルスの増殖の時期が治療のよい機会です。症状が出始めたり再発の予感がしたら、早めに専門科を受診し処方してもらうとよいでしょう。
肉体的ストレスにより体力や抵抗力が落ちている時に発症しやすいので、日頃からバランスの良い食事や十分な睡眠をとるようにしましょう。
気分転換や好きなことなどでストレスを解消し、精神的にも健康な生活を心がけましょう。 -
症状が出ている時期はウイルスの量も多く、感染源になってしまう危険性があるので、人との接触には注意が必要です。
特に免疫機能が未発達な新生児、抗体を持っていないパートナー、皮膚にバリアのないアトピー性皮膚炎の人、白血病・悪性腫瘍・移植手術など病気で免疫機能が低下している人などとの接触は極力しないようにしましょう。
患者自身も患部に触れることで他への感染が広がる恐れがあります。
例えば目に感染して発症する角膜ヘルペスなどは失明の危険性があります。水ぶくれも破ると細菌感染や跡が残ってしまうことがあるので、破らないようにしましょう。
軟膏を患部に塗った後は必ず手を洗い、使用したタオルは日光に当てて乾かしましょう。
2023年1月15日 9:00 AM admin