のげ町歯科室_診療所通信 2025.01/15号 ドライマウス

  • ドライマウスこの季節、乾燥した冷たい空気が鼻や口から流れ込むと、ピリっとしたりいがらっぽく感じることはありませんか?
    現在、大流行中のインフルエンザなどのウイルスや細菌は、口や鼻の粘膜から侵入してきます。口の中の状態が健康であれば体内への侵入を入口でブロックしてくれますが、日常的に口腔内の乾燥を感じている人は注意が必要です。

    口が乾くということは唾液の分泌量が減少するということですが、いったいどんなことが影響してドライマウス(口腔乾燥症)になってしまうのでしょうか。

  • ドライマウスの原因

    ※ 精神的な緊張、過度なストレスによるもの
    唾液腺は自律神経に支配されています。極度の緊張で交感神経が優位になると、唾液は出にくくなります。

    ※ 病気によるもの
    糖尿病、腎疾患、浮腫、シェーグレン症候群や、放射線治療の影響で、唾液の分泌量が減少することがあります。

    服用中のお薬

    ※ 薬の副作用によるもの
    降圧剤、鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、睡眠薬など日常服用されているような身近な薬もたくさんあります。

    ※ 食生活・生活習慣によるもの
    軟食傾向で咀嚼回数が減少したことや、喫煙や過度のアルコール摂取も唾液の分泌量に影響を及ぼします。

     

    唾液の種類には2種類あり、噛む刺激がなくても自然に分泌する「安静時唾液」と、咀嚼などの刺激により多量に分泌される「刺激時唾液」があります。
    安静時では成人で平均約0.3ml/minの唾液が分泌されていて、1日に分泌する合計量は500〜1500mlと言われています。

  • ドライマウスの症状

    唾液の分泌量が減少してしまうと感じるさまざまな症状をセルフチェックしてみましょう!

    ドライマスによるお口のトラブルcheck-icon

    口の中がネバネバする

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    入れ歯で口の中が傷つきやすい

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    口臭が気になる

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    舌がヒリヒリする

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    乾いた食べ物が飲み込みにくい

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    長時間の会話がつらい

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    夜中に口の渇きで目が覚める

     

    あなたに当てはまる症状がありましたか? 当てはまるものがあればドライマウスの可能性があります。
    多数の症状をお持ちであれば、診察を受けることをおすすめします。

  • 低年齢化するドライマウス

    よく噛めば、唾液は多く分泌されます。
    しかし、今の子どもたちは噛みごたえのあるものを食べなくなっています。

    お口ポカンの男の子

    また、いつもポカンと口を開け、口で呼吸をする子どもたちが多くなったとも言われています。口呼吸は当然、ドライマウスの原因になります。

    このように食生活の変化や、学業不振、また近年その使用方法が問題となっているSNSのトラブル、友だち関係などがストレスになって、ドライマウスの低年齢化が進んでいることが懸念されています。

  • 症状改善のためにできること唾液腺のマッサージ

    ●唾液腺マッサージ

    3つの唾液腺をマッサージすることで、唾液の分泌を促します。

    ●口の中を潤す

    シュガーレスタイプのあめやガムを食べたり、水分摂取を心がけましょう。

    ●口の中を清潔に保つ

    唾液の分泌量が少ないと口の中が不潔になりがちです。
    口臭の原因にもなるので歯磨きやうがいをこまめにしましょう。

    ●部屋の乾燥を防ぐ

    乾燥した部屋にいると鼻が乾いて詰まり、口呼吸の原因になります。適度な湿度を保つようにしましょう。

    ●よく噛んで食べる

    噛みごたえのあるものをよく噛んで食べましょう。噛む回数を増やせば、唾液は多く分泌されます。

     

    おしゃぶり昆布や小魚おやつレモンや梅干しなどの酸っぱいものを食べることは唾液の分泌を促すために有効ですが、乾いて荒れた口の中には刺激が強すぎて痛みを伴うこともあります。

    そこで注目を集めているのが、日本ではおなじみ、昆布やかつおのだしの「うまみ」パワーです。
    うまみ物質のグルタミン酸は酸味に比べ、唾液の分泌量も持続時間もはるかに優れていると言われています。